視線_干渉
写真を撮ってから時間が経過するほどに、記憶は薄れていく。その間に写真は、写真が持つ独自の環世界性(生物がそれぞれに持つ、世界を認識するための独自の知覚世界)を強め、記憶に逆行するようにそのリアリティを高めていく。写真を水に溶かしながら再びイメージを受動し、引き受けるとき、実感を失いつつある記憶を呼び起こし、画面上に現れる模擬的な世界との関係性を繋げている。かつてそこに“いた”存在、そこに“あった”光景を拾い上げ、新しいイメージに出合い直す。イメージへと干渉する行為の痕跡が、ここに定着している。
技法:水溶紙にインクジェットプリント、フォトアブストラクティング / 素材:木製パネル、水溶紙、顔料インク、パルプ / サイズ:H1454 × W910mm / 2025